「遍路文化をすべての人々に」 遍路の旅実行委員会 腰丈の白衣、手には金剛杖、地下足袋に脚絆で、そして背中には「南無大師遍照金剛」の文字。四国四県にはこんな姿の巡礼者が見受けられます。弘法大師空海が若き日に修行したと伝えられる道をたどる人々です。「四国遍路」は1,000年以上の歴史を有し、八十八ヶ所の札所と、それを結ぶ約1400km の「遍路みち」からなります。この路を、今なお数十万人の巡礼者が巡っています。そしてその数は年々増えているのです。四国における観光地の入り込み状況は、ほとんどが毎年1割の減少を続けていると言われています。その中で「四国遍路」に関連する施設へは除々に増加しています。観光スタイルの変化、自分さがしや心の癒しを求めた旅の増加が要因ではないかと考えられ、今後も高齢化社会へ進行と共に確実に増加していくと考えられます。 四国遍路は、役行者ら古代の山岳修行者の修行地までさかのぼると言われています。 平安時代後期に成立した「今昔物語」に「四国の辺地(へち)」で登場し、遍路の路として成立していたことがうかがえます。やがて、空海の修行・成道の聖地と考えられ、「お大師さんと同行二人」の旅と言われるようになりました。「めぐる」四国遍路はより修行性の強い遍路だったといえます。 四国霊場八十八ケ所を巡礼する信仰は、遠く室町時代にまでさかのぼり、今日にいたるまで営々と受け継がれ、まさに日本人の文化であると言えます。 また四国に住む(住んできた)我々にとっては「お遍路さん」に対する「お接待」の心は、昔懐かしいお遍路さんの巡礼の姿、チリンチリンと鳴る鈴の音と共に、今も体内に流れている四国人の優しさの象徴であり誇りとするべきものであると考えます。遍路巡礼者は約1400kmを歩く際に、様々なお接待を受け、一人で歩いていないことに気づく。歩き遍路とお接待文化の脈々と受け継がれた歴史の重み、「遍路文化の真髄はお接待にある」とも言えます。新しい時代を迎え、様々な巡礼スタイルで四国遍路をめざす人々が増え、新しいお接待のスタイルがその上に積み重ねられる必要があると考えます。 同時多発テロ以来、世の中の現実を見るにつけ何かにすがりたくなる人々の心、そして遍路道を巡る時間の中に見つけられる厳しさと優しさ。人々を四国へと導く力を感じつつ、遍路の路の意義を見直し、大切な資産として検証・整備することが必要です。 遍路文化を四国の誇りとして、いろいろな活動を通じ広くアピールすることによりユネスコ世界遺産への登録を一つの目標にしたいと考えます。今回の公演は瀬戸内寂聴さんのお話しとツトムヤマシタさんの奏でるサヌカイトの音色を沢山の方に体験していただき遍路文化の癒しの優しさを感じていただけたらと思います。 |