斎藤 昌道

サヌカイト楽器製作者斎藤昌道1

前田仁とともにサヌカイトの楽器を制作して20年余 石を切り・削り・磨き・調律しているのは この斉藤昌道氏です
サヌカイト楽器製作者斎藤昌道2

 1947年12月生 「サヌカイト楽器作りの心」

 こんにちは 私はサヌカイト楽器制作スタッフの一人で主に 石の切断、穴あけ、研磨、調律といった加工を担当しています 現在はサヌカイト風鈴を作っています 風鈴は他の楽器と異なり私共もが奏でなくても自然の中で(風と供に)自鳴し私たちの心を癒してくれます サヌカイト風鈴も楽器であると私は考えています

 といいますのは 風鈴はサヌカイト楽器として調律されている丸い筒を順番につり下げた(琮sou)とサヌカイトの四角棒(石琴)から構成されているからです 琮は直径4.5センチから10センチの筒でピアノ40鍵から88鍵 石琴の場合 幅1.5センチから3.0センチで ピアノ40鍵から100鍵に相当する音域が制作されています(ピアノの場合は88鍵まで)風鈴の音はこの高域部分2800から3500ヘルツ付近のファとラを採用しているのです

 風鈴の音色が澄んだ清らかな音に聞こえるのは 理由に一つに 琮の音色をオシログラフでみると 音叉と同じような波形の美しいサインカーブを描いていることが判ります この琮を直径3.0センチにしたものを風鈴として聞いてもらっています

 さて 昭和54年1月1日付けの四国新聞の特集記事を見られた 前田仁氏(以下会長とする)が自分の所有する金山の東斜面(金山神社付近)が古代旧石器人達のやじり、ナイフ型石器等の生産地であって ここで作られたものが瀬戸内を渡り遠く山陰までも運ばれていたことを知り ここのサヌカイトを何か現代に役立たないかと思いつき研究を始められ 石の加工担当者として白羽の矢が私に当たり以来紆余曲折しながら足かけ20年携わってきました

 始めは 石の切断 穴あけといっても これといった機械道具もなく 道路工事等に使用していたカッタードリルで石を足でふんばってきるような状態でしたから 今のような形のサヌカイト楽器が出来るとは夢にも想像し思ったこともありませんでした

 私は彫刻家や工芸作家ではなく音楽家でももちろんありません ただ単に職人として 会長の人柄とサヌカイトに対するひたむきな熱き想いをいかに形とし よい音として表すか 会長の要求にいかに答えるかこれだけを考え仕事として勤めてきました

 おかげで会長を通じて多くの人達の応援でサヌカイト楽器が育ってきました 会長の喜びが私の喜びであり会長の感動が私の感動として感じることが出来 山下ツトムさんを始めとする多くの演奏家達によって サヌカイトの願いや声を聞けることに感謝しています

 サヌカイトは石(意思)の持つ力によって自ら人と人 人と石を結びつけていくようです あたかも湖面に落ちた一枚の葉が波紋を次々と同心円を描きながら輪を広げていくように 多くの人に感動と驚愕を呼び起こし 世界に誇れる楽器へと成長しつづけています これから先まだまだどのような形に発展するかわかりませんが より多くの人達にサヌカイトの願いと歌声が届けられるとよいなあと思っています

 

サヌカイト楽器製作者斎藤昌道3  サヌカイト加工工場にて  サヌカイト楽器製作者斎藤昌道4

 人や動物に顔があり口や目があるように 植物や石にも目はやはりあるようです 木の場合は木目ということは多くの方がご存知だと思われますが 石にも石目があってこれを利用して古代から旧石器人達もやじりやナイフをを加工してきました

 サヌカイトの切断面を見てみますとA~A′ B~B′の様に石目の違いがわかります また横目C~C′と縦目D~D′に分かれられ横目は縦目に比べて折れやすく 石版画のように石模様を利用した美術品等は別にして石琴のような楽器として利用する場合は加工中や演奏中にトラブルが起きることがあり 最近では出来るだけ石琴 琮(sou)以外の楽器全般に縦目を使用しています

 また 色白で容姿端麗な美人は何かと注目を浴びるようで サヌカイトの場合も同じように 色白で造詣美を誇る形の美しい石は鑑賞石として多くの人達の目を楽しませています ただサヌカイトのたたくと音が出るという特徴を考えると音楽的には美声を持った歌手を探し出す必要があるように その観点から石を眺めてみると いわゆる肌黒の黒く見える程良く 石目の流水紋等がはっきりしているものの方が 灰黒のものやゴマ塩を振り混ぜたように異物が多く混ざったような石より より美声を奏でるようです

 それは88鍵以上の高音域の音階を作ってみると石質の違いでよく響くものとそうでないものとの差が良くわかります そのため 原石を加工する前に外観や形状 欠損部分の破断面の色等から判断して 厳選した石のみサヌカイト楽器として使用しています また 金属と異なり落としたりしますと欠けたり破損して音が出なくなりますので その取り扱いはより慎重にお願いしたいものです

サヌカイト楽器製作者斎藤昌道5
サヌカイト楽器製作者斎藤昌道6 サヌカイト楽器製作者斎藤昌道7