stone instruments 石の音

かれんデビューCD「幸くおはしませ 古事記・ヤマトヒメ物語」

「幸くおはしませ 古事記・ヤマトヒメ物語」

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1.第一幕 明け方 五十鈴川のほとり 19:54
2.第二幕 昼下がり ヤマトヒメの部屋 15:19
3.第三幕 夕暮れ 伊勢の海辺 26:44

かれん (KAREN)
都築香弥子 (KAYAKO TSUZUKI) 語り・歌
小松玲子 (REIKO KOMATSU) サヌカイト・打楽器・作曲


●かれん
ふたりは2015年夏、香川県坂出市を舞台にした映画「カンカンSUN」で出逢う。
小松玲子の音楽、都築香弥子の言葉で一緒に何かをと企画を進め、活動を開始。
お互いの世界を融合させ新しいステージを目指す。
2016年9月「幸くおはしませ 古事記・ヤマトヒメ物語」でデビュー。
2018年9月「竹取物語?呉竹・かぐや姫」等、新作を予定している。

●都築香弥子(つづきかやこ)
愛知県豊田市出身。1月25日生まれ。
1986年から2006年、文学座に所属。芸名・香月弥生
(かづきやよい)として、劇団公演はもとより、こまつ座、
地人会、加藤健一事務所等プロデュース公演や、東宝、
蜷川幸雄演出等に出演。2006年から2010年、劇団
四季に所属。本名・都築香弥子として、多くの作品に出
演。1999年から2000年 文化庁在外研修でパリ留学。
ヨシ・オイダ氏、ジャン・サスポータス氏(ピナ・バウシュ
カンパニー)に師事。「もののけ姫」「ハウルの動く城」
など声の出演も多数。

都築香弥子の想い
初めてその音色を聴いたのは、香川県坂出市けいの里。
奇しくもサヌカイトの生まれた場所だった。玲子さんの奏
でる音は、風や水や大地を思わせた。
それは、大和の地で、れんげやシロツメクサを摘んで無邪
気に笑い、野原を駆け回る、少女のヤマトヒメの姿と重な
った。そして、斎宮として生涯を生きた彼女の人生にも。
自然の音。祈りの音。ヤマトヒメが纏っていた「やわらかな
凛」の音。潔さと切なさを伴うサヌカイトの音色とヤマトヒ
メの言葉が、すうっと溶け込む瞬間を愛おしく思う。玲子
さんとの、「かれん」との出逢いに感謝したい。

●小松玲子(こまつれいこ)
香川県高松市出身。1月25日生まれ。
東京藝術大学卒業。よんでん文化振興財団奨学生。メルボルン
芸術フェスティバル、ボルドー音楽祭参加。全国育樹祭で皇太子
ご夫妻前で演奏。劇団四季「壁抜け男」等初演に参加。パリユネ
スコ国際会議場にて演奏。東京藝術大学非常勤講師を経て、
東邦音楽大学付属第二高等学校非常勤講師。サヌカイト中心
のユニット「LUZAZUL」リーダー。自身のソロアルバム2枚発表。
平成28年度よんでん芸術文化奨励賞受賞。高松市観光大使。

小松玲子の想い
神話は想像力をかきたてられるから好きだ。
古事記に出てくる数々の神様の中で、ひっそ
りと静かな存在であるヤマトヒメが動き出す。
清らかで少し寂しげな空気感がサヌカイトの
透明な音色にピッタリだと思った。二人でしか
出来ない空間がこうしてCDという形になるこ
とを嬉しく思い、またかやこさんの声とサヌカ
イトの音色で歩き出した「かれん」のデビュー
作に相応しい作品だと思う。

●一志 章 (いちし しょう)
金沢大学法文学部国文学科卒。
高校の国語教師を経て、現在は、古典文学の講師を勤めている。
また、「源氏物語」「伊勢物語」などの古典に材をとった作品を多数執筆。
今後の作品は、「竹取物語 呉竹・かぐや姫」「源氏物語 葵の上・六条御息所」ほか。

この物語について

「古事記」には多くの女性が描かれている。いずれも個性的で魅力的だが、
イメージが強固でそのキャラクターは動かし難い。何度も「古事記」を読み
直すうちに、ふとヤマトヒメに目が留まった。初代斎宮として宿命のままに
生涯を過ごした女性。彼女は「古事記」でほんの少ししか登場しないが、
それ故にこそ私の想像力を刺激した。母への思い、初恋の人への思いなど、
一人の女性としての感慨を書いたつもりである。拙い作品ではあるが、
「かれん」のデビュー作にふさわしかった、と自らに言い聞かせ密かに愛着
を抱いている。サヌカイトの音色とヤマトヒメの語りを時折思い出し、誰に
ともなく「幸くおはしませ」と呟いたりする。

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