無知な話

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 もう32年も前の話である いつものように小さな喫茶店西荻窪パペットで座っていた私は ある男のお客さんが帰った後でこれまたいつものようにガテマラを飲みながらおじさんと会話 おじさん「あの人 囲碁の先生らしいよ」私「へえー囲碁で食べていけるんですねえ」会話は続く 「強いらしいよ」「そういえばここに車が迎えに来て乗っていったことあったねえ」「大きな会社の社長さんと囲碁でもしてお金くれるのかな」 ある男の人は たまにこの喫茶店に来てたわいのない話をしていく人で 西荻窪に住んでいるらしいとしか判らない この店ではあまり客の素性など話題にしないので 静かにコーヒー飲んで世間話をする人としか思っていなかった 「強いって何段くらいだろう」「五段くらいじゃないの」

 あのねあの人めちゃくちゃ強いんだって 名人らしいよ 名人て上手いって事? ちがうタイトルの名人 ひゃー 碁聖らしい 十段らしい げげげ たたの男の人ではなかったんだ 世の中無知とは楽しいことである もっとも知らないから普通に気にもせず話をしているのであり この話の男の人「大竹英雄」さんだって特別扱いもされたくないだろうし おじさんと僕はそれ以後もこの事は知らなかったように全くふれなかった ただし囲碁の話はしないようにしようと話しはあわせていたのだが

 去年の11月に発行されたある雑誌に大竹英雄さんが登場していて 片づけの途中にちょいと目にとまって書いた次第 現在67歳だから あのころはまだ35歳くらいか 若かったんだなあ 落ちついていたイメージが残っているし 写真を見ても全然変わっていない 息の長い囲碁の世界 もちろん残るのは超一流だからでしょうが あのころ の話が出来る日もあるかな

 雑誌で語っていた言葉をいくつか 礼儀礼節はしっかり後はのびのび 人から愛される「愚か者」でいたい 囲碁をやることは心や体の健康診断 そして 負けることで強くなる下がることで前に進める・・・そういえば大竹さん 偉そうにするところが全くなかった記憶 だから普通の人だと思ってしまっていたのだろう お顔を見るとわかるなあ


 

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