姿 その壱

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 我が家にある大好きな仏像 大きさは70cmくらい南北朝(1330~1400)時代の珍しい銅製仏 30数年前だろうか瀬戸内海のあるお寺から譲り受けたらしいが今となっては誰も知らない お顔の優しい心を落ち着けてくれる姿である 仏像の歴史的価値とか貴重性などとは関係なく「しっくりくる」のだ 周りの空気感が違う オーラを発するような仏像もあるがこれは違う静けさ 美しいモノは人によって好き嫌いもあり 基準も 価値感も違うのが当たり前 美しいモノは周りを幸せにする が 欲が絡むと不幸せにもする この仏像がどのような歴史をたどってきたのかと考えながら手を合わせたり じーっとお顔を拝見 気に入った人も過去には沢山いたろうに 時間が出来たら調べよう

 もっとも姿の美しい仏像は京都府広隆寺」に安置されている「弥勒菩薩半跏像」(日本最初の国宝) ではないか 小学生の頃に切手収集していて国宝シリーズで出た姿とお顔に惹き付けられた ため息が出るほど美しいとはこのことか 1960年 この姿に我を忘れた大学生が頬ずりをしようとして薬指を折ってしまったのは有名なお話 ドイツ人哲学者カール・ヤスパースの言葉 「私はこれまでに古代ギリシャの神々の彫像も見たし ローマ時代に作られた多くの優れた彫刻も見てきた だが今日まで何十年かの哲学者としての生涯の中で これほど人間実存の本当の平和な姿を具現した芸術品を見たことはなかった この仏像は我々人間の持つ心の平和の理想を 真に余すところなく最高度に表しているものです」 と 製作時期は朝鮮三国時代だといわれ 地については 朝鮮で造られたという説や 日本で造られた説 朝鮮半島から渡来した霊木を日本で彫刻したという説もある

 いつでも観られたら世界の平和に貢献すると思うのだが そのために生まれて来たのではないかと思う 最近心が乱れる私にとっても必要

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2012年1月

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