大衆の反逆 by オルテガ・イ・ガセット

100814.jpg 訳 寺田和夫

 大衆の反逆には3種類の翻訳があるが これはラテンアメリカ考古学で有名な寺田さんのもの(比較したわけではない) 冒頭の2002年に書かれた 佐々木孝さんによる「今日的オルテガ」に助けられ(これだけでも十分) 読破 佐々木さんはドン・キホーテで有名 この本を手にとったのは本の題に依る 参議院選挙の結果は首相の「消費税発言」が影響したとされ 結局この手の問題は選挙の後に顔を出さないとダメというのでは 選挙は選挙 政治は正しく行われず「大衆」を大人しくさせ怒らせず 何となく行われることになる 消費税で惨敗した自民党の過去を「反省」しているだけだから 「選挙の前に言うことはない」と言う民主党の議員さん達も情けない話しであり まったく結果のみ見ている 「大衆」は消費税を持ち出したから票を入れないのだろうか・・・収入の倍の生活をしている実感のない国民をどう導くのか 大衆の意識とはマスコミに作られるもので 実態は何 で この本

 スペインの哲学者オルテガ(1883-1955)の1929年に書かれた理論を 現代の政治家がしゃべったら即 「大衆攻撃者」と烙印を押され 政治家失格と云うことになるのだろう 世の中が何も考えない(自分では考えていると思っている)大衆によって(選挙のために気にしすぎて)動かされている事への批判 (私も大衆なのだが 少なくとも謙虚さはもちあわせていると信じている) 第一次世界大戦後に書かれ古くささもあるが現在の状況に当てはまるこの本が再び読まれても不思議ではない 「貴族主義」あるいは 現在なら「エリート主義」として批判されることは確か しかし彼の大衆や貴族の定義は私が当初考えた事とは少し違う事も認識する必要がある(読めば解る) 単純にマスコミを信じ 権力をこきおろせば民主主義が成立するという感覚を持たないためにも ディベートを宣伝するわけでもないが 理性的に考え語る習慣を身につける勉強を学生時代にするべきだろう いやこういった本を高校時代か大学時代に是非読んでみることを薦める先生が多数出現してくれたらありがたい 書かれている内容に諸手を挙げて賛成と言うつもりもない 解ってないなこいつと思うところも ヨーロッパ中心絶対主義的だと感じるところも多々ある それはこちらが解って読めばよい まあ「シーシェパードの正体」を読むよりは素直になれる

 今日は終戦記念日 最近は特別な日という感覚が薄れてきている気もする 私個人の問題かもしれない あまりテレビを見ないからかな 12時といえば 88cafeに着いてランチを注文しようとしている時間だった 反省 風化という言葉を受け止める  

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